労働保険審査会委員の国会同意人事案について

労働ほご犬。

 労働保険審査会委員の国会同意人事案についてである。一か月ほど前に記事を書いたばかりであるが1名の任期満了となることから人事案が出ている。労働保険審査会は労災保険及び雇用保険の給付処分に関して第2審として行政不服審査を行う国の機関である。常勤が6名、非常勤が3名であり、第1から第6までの合議体に分かれて審査を行っている。令和4年の再審査の請求件数は労災519件、雇用保険19件であった。労災で決定が覆ったのは僅か13件、雇用保険は0件である。すでに下された決定を覆すのは相当困難であることがわかる。とはいえ13件について労災認定が変更されているのだから審議会の存在意義は失われていない。労災認定で却下された事案の中には石綿救済法に関するものがあるから一様に認定されないだけで済ますことができないケースが存在する。給付基礎日額の決定が取消になり再審査を受けることができるという判断が見受けられる。いずれにせよ、委員は6合議体のいずれかに配置され年間100件近くの判断を下すのだから相当負荷のかかる仕事と言える。

 再任予定の植木敬介氏は医師で元獨協医科大学教授であり獨協医科大学病院総合がん検診センター長である。日本脳腫瘍病理学会会長や厚生労働省労働保険審査会委員を務めた経歴を持つ。共著に「脳腫瘍の遺伝子診断と病理診断」「脳腫瘍のゲノムとエピゲノム総論」がある。脳神経外科分野をリードしている学者であり医師である。

 豊富な経験と知識を持つことから当会の委員にふさわしいと考える。

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