オリンピック後の日本経済の建設的な私的展望
おボンジョビ休みっす。あまりの猛暑で脱毛症・・・いえ年中無休でハゲてます。熱中症にならないように、ねっ、注意しょう!
パラリンピックを残し、オリンピックが無事に閉会しました。新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックが起きている最中での開催となりIOCも大会組織委員会も東京都も容易ではない運営を強いられました。日本国内でも感染第五波となる緊急事態宣言が発出され感染拡大が続いています。残念ながらオリンピックは一部を除いて無観客での開催となりました。巷では新生活様式が提唱され、手洗い嗽のルーティン化、ソーシャルディスタンスの維持、マスクの着用、出張など移動を控える、テレワークの実践などを実践することに国民も概ね迎合するようになりつつありましたので、インターネットやテレビでオリンピックを感染することで満足することが出来た国民も多かったのではないでしょうか。
各競技の日本チームは無観客とはいえ地元での開催ですので好成績を収めることが出来ました。メダル獲得数は過去最高となり、アメリカ、中国に次ぐ3番目の金メダル27個、銀メダル14個、銅メダル17個となりました。選手歌人としての結果は悲喜こもごもであったとは思いますが、57年ぶりの東京でのオリンピック開催ですので貴重な経験になったはずです。コロナ禍という特殊な状況の中での開催にも関わらず選手の皆さんの奮闘により好成績を得たことは誇れることであり賞賛に値する偉業であったと思います。
さて、オリンピック後の日本経済について少し考えてみたいと思います。ネット上では悲観的な意見で埋め尽くされているように感じます。逆に好天的な意見や展望はほとんど見受けられません。ここぞとばかりに不安を煽り負の展望を尊大に誇張して嬉々として説いている方々ばかりです。自国が直面している危機を喜んでいる、歓迎していると言っても過言ではない論者たちです。西村ひろゆき氏、森永卓郎氏、メンタリストDaiGo氏、武田邦彦氏、浜矩子氏、辛坊治郎氏、落合陽一氏などです。
画像:YOUTUBE https://www.youtube.com/watch?v=oymYAAiWGm4
例えば、西村ひろゆき氏の主張は1.オリンピックで3兆円の赤字が出て若者たちが将来は払わされる。2.オリンピック後は建設需要や観光需要が無くなって経済が低迷する3.不動産の価値が下がる。などと言っています。
1.について西村ひろゆき氏は3兆円を失って何も残らないと言ってます。小学生でもうそとわかるような詭弁です。オリンピックの建設特需は5000億円を超えると言われています。それらは主に構築物と労務費に姿を変えるわけですから消えてなくなるわけではありません。労務費は人に対する費用ですので所得として循環します。西村氏はお金を使うとその瞬間にお金はこの世から消えてなくなり対価物も消滅するイリュージョンが起きるとでも思っているのでしょうか。2.西村ひろゆき氏のリサーチは恐らくネット上で拾い物をしているだけなのでしょう。オリンピックの建設特需は5000億円かもしれませんが、オリンピック前もオリンピック以降も建設業界は資材が足りないくらいに急激に建設需要が増しているのです。仮にオリンピックが無かったとしても建設業界はコロナ禍の中で需要がうなぎ上りだったのです。この程度のことは社会の周知の事実です。3.についてですが不動産の価値は恐らく下がりません。マンションや戸建て共に売物件数が前年同期よりも25%から30%も減っている状況です。コロナの蔓延に従って住宅の買い需要は増してきました。それによって物件の在庫数は継続して現象していっています。オリンピックが終了したから一気に不動産を処分してしまおうとう動向や風潮は凡そ見受けられません。不動産需要は外資に支えられているのではなく内需としても供給を上回る需要があったということです。以上のことから西村ひろゆき氏の主張は稚拙で安っぽいものであると私は思っています。
画像:YOUTUBE https://www.youtube.com/watch?v=M54i-bf0sbs
落合陽一氏の主張は経済に関してではありませんがお粗末で低レベルなものだと思います。来年の2月に開催される北京オリンピックにおいて有観客で先端技術を駆使した式典を日本人は目の当たりにして今回の東京オリンピックがめちゃくちゃに負けるという主張です。日本と中国の圧倒的な資金と満員の観客とテクノロジーの規模の違いを見せつけられるというのです。しかし、それがどうしたというのでしょうか。それを日本人が見ることでジャパンアズナンバーワンから中国の世界一へのシフトを国民が感じ取るのだそうです。あまりにみっともない意見です。オリンピックとはテクノロジーを競う祭典なのでしょうか。観客数を競う催事なのでしょうか。北京をオリンピックを日本人が見て中国に国家として負けたとか思うのでしょうか。もはや落合氏はオリンピックがスポーツの祭典であることすら理解できない未熟さを露呈していると思います。オリンピックはドローンの数を競う大会だと勘違いしているようです。オリンピックでの主役は参加する選手達です。現在の日本にあるコロナ禍において最善の配慮を施した上での運営に徹して開催したのが東京オリンピックです。アスリートファーストの鉄則を外れた視点でオリンピックの優劣を語る落合氏の戯言には呆れるばかりです。
私は多くの論客が警鐘するオリンピック後の日本経済の崩壊などありえないと思っています。決して楽観視しているわけではありませんがオリンピック以前からの消費動向を踏まえても急速に冷え込むことはないと思っています。第五波を迎えているコロナ禍にあって国民の消費熱はなぜか上向いています。緊急事態宣言もこうも度々発せられると確かに箍が緩みます。コロナ自粛が始まって既に1年半が経とうとしていますので止むを得ないことかもしれません。今年の5月頃からは百貨店で高額商品が良く売れるようになっていますし、高級ホテルや高級旅館の予約も急増しています。巣ごもりと並行して国民の貯蓄も増えてきており、消費マインドが上がり出したということのようです。ワクチン接種も進んでいることから来年にかけて更なる消費拡大が見込めるのではないでしょうか。反面、心配なのは消費拡大のニーズの受け皿となる商業や産業が応えられるかどうかです。世界的な消費拡大は原材料の不足や価格の高騰を引き起こしています。コロナが終息したアメリカや中国や欧州では既に大消費ブームや建設ブームが巻き起こっています。それに呼応して資源の奪い合いが始まっているのです。建築業界ではH鋼や木材が不足しています。自動車業界では半導体が足りていません。食品業界では小麦粉やでんぷんが高騰しています。オリンピック後に好景気を迎えるにはこれらの原材や品不足の解消に取り組む必要があります。政府には経済の好転を阻害する要因の除去に懸命に取り組んでいただきたいと思います。併せて貨物船など物流手段の確保と滞留の解消にも取り組まないといけません。物流が世界を制することは疎明に及びません。
世界中を席巻したコロナ禍において各国で大量に発行されたお金によって地球規模の経済の同時期上昇が起きるかもしれません。既にその兆しは見えています。半導体や鉄、材木、紙は不足しています。ガソリンや食肉や植物油、大豆は高騰し始めています。日本の端境期に際して政府には世界動向を注視し民間をリードして牽引してもらいたいと思います。ポストコロナ時代は資源の奪い合いの時代となるでしょう。
画像:ASAHI.com
最後に余談ですが、1918年から1920年に日本でスペイン風邪が猛威を振るった後には大消費ブームが起きました。スペイン風邪もコロナ同様に世界中で猛威を振るいましたがワクチンも対処薬も無い中で2年8か月後に自然と終息を迎えたようです。2年8か月にわたり自由な経済活動を抑制されたのですからその後の消費ブームが巻き起こったことは自明の理であったろうと思います。この時の日本の人口は約6000万人でしたがスペイン風邪に罹患して約40万人が亡くなっています。
オリンピック後の日本経済はポストコロナ時代への助走期として成功と発展に向けて超合金のようにガシガシと前向きに歩を進めて欲しいと思っています。
以上、最後までご拝読を賜りありがとうございました。
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