新検事総長の畝本直美氏について

今何時?・・・検事、早朝。。。

 女性初の検事総長として畝本直美氏が就任した。検察のトップ人事であるから重要人事にあたる。女性初ってジェンダーをあえて持ち出すのは流行なのだろうか。近年のパブリックな職において女性差別があからさまであることは稀であろうし。女性初でなくてもニュースバリューは変わらないと思うのだが。男女の昇進格差は離職傾向の高さや昇進意欲によって左右されているのであって差別意識はないように思う。

 さて、畝本直美氏は千葉県出身で、中央大学法学部を卒業し、1988年に検事任官する。その後、東京、名古屋両地検検事や司法研修所教官、東京地検総務部長、高知地検検事正、法務省保護局長、最高検公判部長、広島高検検事長を経て東京高検検事長を歴任してきた。これまでは法務省刑事局長や法務事務次官、東京地検検事正を経ることが通例となっていたことから畝本直美氏の就任は異例の抜擢と言える。日刊ゲンダイが報じるところによると、任命の背景には同年代で次期候補の辻裕教元仙台高検検事長が、「定年延長」を巡る対応で事実上失脚したことから畝本直美氏に白羽の矢が立ったとされる。同紙は更に踏み込んで、自民党の裏金事件が発覚した際に畝本直美氏が東京高検検事長という検察ナンバー2の地位にありつつも、16人の国会議員や元議員を不起訴処分とし、立件されたのは議員3名とその秘書に留めたことが与党自民党にとって都合の良い判断であり、その褒賞人事なのではないかと思わせる記事を書いている。裏金を受け取ったとされる議員側では、二階派と清和政策研究会(安倍派)の議員を証拠が足りない嫌疑不十分とした。一方、派閥側や議員側の会計責任者、事務担当者らを悪質性が低いとして起訴を見送る起訴猶予とした。自民党裏金事件の金額の多寡、招いた政治的混乱、国民の不信感など悪影響の重大性から慮ると検察の判断は世間の予想を覆す甘さであったことは間違いない。

 日刊ゲンダイでは畝本直美氏の夫である畝本毅氏についても触れられている。畝本毅氏は東京地方検察庁特捜部副部長や大阪地方検察庁特捜部長、大阪高等検察庁次席検事、大阪地方検察庁検事正等を経て高松高等検察庁検事長を歴任、現在は弁護士である。畝本毅氏が大阪地検次席検事の時に森友学園問題が発覚する。大阪地検特捜部が森友学園の籠池泰典元理事長と妻の諄子さん夫妻を逮捕・起訴したのも、佐川宣寿元国税庁長官をはじめ背任や公文書改ざんで刑事告発された財務官僚らを全員不起訴処分としたのも畝本毅氏が大阪地検次席検事であった時である。当時、大阪地検特捜部長であった山本真千子氏はNHK記者の「特捜部は1年3か月という長期間にわたる捜査で、大勢の関係者から事情聴取を行い、多数の証拠を集め、膨大な国費が費やされました。しかし全員不起訴では、集められた証拠は一切日の目を見ません。起訴すれば法廷で明らかにされるのです。それで国民が納得するでしょうか?通常、検察庁は、不起訴にした事件については説明しませんので、今回の会見は異例だとは言えますが、やはり問題の真相は明らかになっていません。国有地の値引きの根拠の説明もなかったこと、決裁文書の改ざんが300か所以上と膨大なこと、佐川氏が「交渉記録は廃棄した」とうその答弁をしていたことからして、国民から納得が得られるかは大いに疑問です。」という解説について問われても反論を一切していない。地検特捜部や財務官僚たちを起訴できるだけの証拠が用意できていた可能性はある。山本真千子氏は報道の取材に対して「真相解明をして判断した」と語っているが、不起訴にすることで膨大な捜査資料が隠蔽される。そのことは政府と与党自民党の思惑に沿ったか忖度した結果ではないのか。大阪地検特捜部山本真千子氏の記者会見に同席していたのが畝本直美氏の夫である大阪地検次席検事畝本毅氏であった。山本真千子氏率いる特捜部の捜査はぎりぎりまで続いていたのに土壇場で一転して財務官僚全員の不起訴が決まった。なんらかの大きな力が働いたのではないかと感じるのも当然である。真相がどうであれ、結果的に籠池夫婦は起訴され、公文書を改ざんした財務官僚は全員不起訴となったことは政府と自民党にとって好都合であったことは疑う余地のない事実である。橋本べん氏のブログにはこう書かれている。「裏金議員を逃して、検事総長に登り詰めた。裏金議員の立件見送り。畝本直美を追求してます。夫、畝本毅氏は森友事件をことごとく不起訴にした検事、今ヤメ検弁護士で、森喜朗の相談役になっているらしい。」と。秘書給与の詐欺容疑で強制捜査を受けた自民党広瀬めぐみ氏は在宅起訴、裏金で香典を配って公選法違反で摘発された堀井学氏は罰金の略式命令。畝本直美検事総長は果たして自民党の守護神なのか。もし検察官たちの価値観が「正義<出世」だとしたら不偏不党の信念は潰える。魑魅魍魎が跋扈するのが三権の器。


参考

畝本直美 Wiki

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%95%9D%E6%9C%AC%E7%9B%B4%E7%BE%8E

「虎に翼」の寅子か「アンチヒーロー」の瀬古成美か…自民裏金事件を"スルー"した女性初の検事総長に疑心暗鬼 日刊ゲンダイ

https://news.yahoo.co.jp/articles/65a19fd1f973ba88f0d21c41e2eed30df8db43ee

新検事総長 畝本直美氏が会見「適正な検察権行使に努めたい」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240709/k10014507041000.html

女性初の検事総長は単なる《棚ボタ人事》だった…!「可もなく不可もない」畝本直美氏が登用された舞台裏

https://gendai.media/articles/-/133129

森友捜査の女性元特捜部長が大阪地検ナンバー2の次席検事に栄転 相澤冬樹

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/94343215894e7d512ea804380d24bb392b28db68

検事総長畝本直美の夫、畝本毅氏は、森友事件を悉く不起訴にしたさヤメ検、今森喜朗の相談役らしい。 橋本べん

https://go2senkyo.com/seijika/123786/posts/933114

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