年金を減額せず増額する方が日本経済の復活に能う
こう年金しょうがい??
年金を減額せず増額する方が日本経済の復活に能う
日本維新の会の音喜多俊氏の誤認による政府批判が炎上
選挙運動で嘘をばら撒く政治家を批判する政治家の嘘が発覚し話題になっている。再議員議員選挙の選挙運動として赤羽駅前で日本維新の会の公認で東京選挙区に立候補している音喜多駿候補の演説が真っ赤な嘘だと批判されている。
音喜多氏が7月3日に行った演説の内容は
「年金制度は平均寿命はもう84歳、健康寿命も74歳まで伸びたこの国で65歳からほとんど全ての人が老後の生活支援金として受け取れる。こういう制度になってしまっています。万が一の長生きに備えるという保険の趣旨からはもう逸脱をしている。実際、先進国では65歳から年金をもらえる国はほとんどありません。イタリアはもう71歳です。でも日本だけが年金のこの改革をずっとサボってきた。選挙で負けるのが怖いから、100年安心だと、かつての政治家が大うそをついて約束をしてしまったから。皆さんに我慢をお願いできずにずっと大盤振る舞いを続けています」というもの。
調べるまでもなく嘘だとなんとなくわかる。年金が100年安心だと主張したのは2004年当時の公明党の坂口力厚生労働大臣である。社会保障制度に関して音喜多氏は与党に対して批判的な内容の演説をしようとして社会保障性の「100年安心」を大嘘だと断じた。しかし、大嘘を言っているのは音喜多氏であることが発覚。先進国で65歳から年金をもらえる国は日本だけではない。少なくともイタリアは71歳からではなく67歳からである。アメリカは66歳、イギリスは男性65歳女性64歳、ドイツは65歳7か月、カナダは65歳、フランスは62歳である。音喜多氏は自身が嘘をつくことで政府与党の嘘を批判するという高等技術を披露した。その結果、音喜多氏の嘘を批判するポストが拡散され100万回以上閲覧されている。
現行の年金制度は大盤振る舞いをしているという音喜多氏の批判だがこちらも疑問符である。2004年以降、年金改革と称しマクロ経済スライドを導入したのだが、年0.9%程度の減額が20年間で3回実施されただけに留まっている。20年間で2.7%の年金支給額が削減されているが当初の予定通り毎年削減されていたら18%が削減されることになっていた。一方、現役世代から徴収する保険料率は一定であっても賃金が2%以上のペースで上昇していれば20年間で4割以上の増加が見込まれた。ところが政府の経済対策の失政と財務省主導の緊縮財政措置の継続によって賃金の上昇もままならない状況が続いた。焦った政府は社会保険料率を2014年の14%から現在の28%まで引き上げた。経済成長をすることなく消費税や社会保障費負担を引き上げ続けた結果、日本国の貧困化が進んだ。
消費税は社会保障の為の財源とは言い切れない。消費税は一般会計であるからその特定はできないししない。社会保障の財源は正確には保険料徴収と国債発行による調達によってである。政府与党は消費税減税が社会保障制度の毀損に繋がると国民を脅すが実は違う。消費税減税が紹介保障削減と引き換えだとする政治家の貨幣観には聊か不安を感じる。社会保障費の財源は消費税ではない。ちなみに高齢者の負担を大きくしたら若年層の負担が減るかというとそのようなことは絶対にない。政府は取りやすい方、取れる方から取れるだけ取ってきただけであり、高齢者と若年層のどちらの負担も軽減する意向は微塵も窺えない。
年金制度を危惧するのであれば年金を減らしたり保険料を引き上げることを考えるのではなく国債発行によって年金支給額を逆に増やせばよい。政府の支出は誰かの所得になる。需要はGDPそのものであるし生産に繋がる、生産というGDPが所得というGDPを押し上げる。年金を増額しても高齢者が使わない場合には課税すればよい。景気の調整は税の役割でもある。一方、高齢者が必要とするものを購入するように税の優遇などで消費を誘導するのも税の役割。昨年の衆院選では現役世代の手取りを増やす政策を掲げた国民民主党が大躍進した。その陰で年金受給者を中心とした高齢者の支持を国民民主党は得られていない。現役世代に偏ると国民を分断しかねない。毎年増え続ける年金受給者の所得を厚くすることは日本経済を再び高成長に繋げる可能性を秘めている。少子高齢化社会を牽引するのは高齢者によるGDPの底上げにあるのではないか。
参考
「65歳から年金をもらえる先進国ほぼない」を調べたら…維新・音喜多駿氏の発言 日本より早い国、遅い国 東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/419426
主要各国の年金制度の概要 日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/shaho-kyotei/kunibetsu/gaiyo.html
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