今オフ、メジャーリーグを目指す選手たちの展望 その1

メジャーじゃないとだメジャー。

 海の向こうではかつてのNPBのスタープレイヤーたちが大活躍している。NPBのスタープレイヤーは凡そMLBでも期待に応える活躍を見せるようになった。これも時代の変遷か。NPBの技術的なレベルはMLBの3Aと同等などと言われてきたが現在はそうではないだろう。少なくとも3Aより上、メジャーより少し下、つまり3Aとメジャーの中間ぐらいにまでは向上しているのではないか。ドジャースは大谷翔平をはじめ山本由伸は12勝、佐々木朗希はポストシーズンでクローザーとして活躍。3人のNPBのスタープレイヤーを擁して期待通りのリーグ優勝を達成している。オリオールズの菅野智之も36歳ながら初年度から二桁勝利、アストロズの菊池雄星とメッツの千賀滉大は二人とも7勝とまりではあるが防御率は3点台に留めている。カブスの今永昇太は9勝8敗防御率3.73と健闘した。打者ではドジャース大谷翔平が本塁打55本を含む173安打を記録、カブスの鈴木誠也も本塁打32本を含む140安打と期待に応える活躍を見せている。レッドソックスの吉田正尚は怪我で出場機会が限られた。

 さて、MLBで日本人プレイヤーの評価が上昇する中で今年も多くの日本人プレイヤーが海を渡ろうとしている。球団がポスティングを容認しているのがヤクルトスワローズの若き主砲村上宗隆だ。村上の今シーズンは怪我の影響で56試合の出場にとどまったが22本塁打47打点と圧巻の成績を収めている。21年には日本人最多の56本塁打、22年には最年少三冠王を達成している。パワーはメジャー級であることは折り紙付きだ。守備と打撃の好不調の波に課題を残すものの今オフのストーブリーグの目玉になることは間違いない。米国内の報道によると村上の契約は鈴木誠也の5年8500万ドル、吉田正尚の5年9000万ドルをはるかに超える3億ドル規模の大型契約になるのではないかと予想されている。

 村上と並んで注目されるのが巨人の岡本和真だ。村上と同様に岡本和真も今年は怪我に泣かされ69試合15本塁打49打点と成績を下げた。とはいえ、パワーは村上とほぼ互角。ここ数年は村上とホームラン王のタイトルにしのぎを削ってきたライバルである。DHでの起用であれば十分にメジャーでの活躍が期待できるだろう。巨人は岡本が抜けると20本塁打以上を打てる野手がいなくなる。泉口、中山、キャベッジにその期待が向けられるが未知数だ。岡本がいる間に優勝を成し遂げたかったのだろうかCSファーストステージであえなく散った。現状を鑑みると巨人は岡本が海外FA権を取得予定の2026年まで在籍することが望ましいだろう。10月22日に岡本のポスティングを容認することが球団から発表された。経済的利益を優先したこともあるだろうし、岡本の希望をできる限り早く実現することを考慮しての決定でもあっただろう。ポスティング制度は球団と選手の双方に利益があることが前提である。金満巨人にあってもロジカルな決断は重要だ。

坂本雅彦ホームページ

坂本まさひこ  作家 国会議員秘書

0コメント

  • 1000 / 1000