課税バランスと相続税について

相続税について

現在、我が国で問題視されている少子高齢化に伴って、社会保障制度を拡充するため、財源の確保が必要となっております。所得・消費・資産の課税バランスからみましても資産課税は明らかに低比率であることから、近年、相続税の改革をすべきという主張も多くみられ、その重要性は高まっているように思います。

所得・消費・資産の現状の課税バランスにつきまして財務省の認識、もしくは問題意識、課題等がございました大枠でお聞かせください。

まず相続税につきまして租税の根拠関してお聞きします。

遺産を残したいとする被相続人の願望に対して人生の初期条件は同一であるべきとの正義の観念との調整によって生み出されるものと思います。資産分配の不平等度の拡大は機会の平等を損なうことにも繋がりかねないことから、遺産分配は重要です。富のより平等な分配を実現するという租税の根拠を有していると認識しておりますが財務省の見解をお聞かせください。

富の再分配を租税の根拠とするとして、近年は出生率が低下している状況にあります。最近は微増しているとはいえ1.5%前後で推移しております。被相続人1人当たりの法定相続者の人数は平成元年には3.9人であったところ平成29年には2.8人にまで減少している状況にございます。

少子化の進展により相続財産を分割すべき子供の数が減少すれば富の再分配の促進は達成されず難くなると思われます。よって、少子化に伴う相続税の税率の見直しを検討してはいかがでしょうか。

租税の根拠を前提として相続人数の減少についての財務省の認識をお聞かせください。

さて、子のいない高齢者が生前に受け取っていた公的年金は、他人の子が払った年金保険料が原資となっています。公的年金は賦課方式ですので子の世代が親の世代を支える仕組みになっています。そうでありましたら高齢者が使い遺した遺産は国に返して次世代の人々のために使ってもらうべきでだと考えますがいかがでしょうか。子の世代が親の世代を支えておりますので兄弟姉妹に相続させるのは筋が通りません。こういうケースにおきましては兄弟姉妹が相続する分の相続税率は高くて構わないと考えますがいかがでしょうか。

また、近年は結婚しない人が増えていますし、結婚しても子供のいない夫婦も増えています。生涯未婚率は急速に高まり男性では23%、女性は14%にも達しています。45歳から49歳の夫婦の7.5%が子供がいません。そうした方々が他界する時に兄弟姉妹が相続することを意図的に減少させる方策をとることは不平等であると言えない面もあると思います。先に申しました社会保障は子の世代が親の世代の負担を追っているからです。子以外への相続をある程度抑制することが可能になりましたら財政に対して一定の寄与になると思われます。他の子によって負担された社会保障費を遺産によって後に本人負担とし得る可能性を図るということです。仮に日本における家計金融資産は約1800兆円と言われておりますので仮にその1%が毎年国庫に入るとしても概ね消費税と同額の18兆円になります。社会保障において生産世代と年金世代に見られる世代間不公平に対する一策を相続税制で検討することは有効だと考えます。1965年では65歳以上一人に対して生産人口が9人、2012年には65歳以上一人に対して生産人口が2.4人、そして、2050年には生産人口1.2人で支えるようになると予測されています。

社会保障制度の受益者と負担者の関係も踏まえて財務省のお考えをお聞きします。年金に見られる社会保障制度の世代間の不平等、とりわけ子供のいない夫婦に関する相続税の課税方式の見直しを検討することは意義のあることだと考えますがいかがでしょうか。

坂本雅彦ホームページ

坂本まさひこ  作家 国会議員秘書

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