総務省の有識者会議の人選について(参議院浜田聡議員の調査依頼に対する調査室からの回答)

私の貸切バス会社はまだ再開するのは厳しいです。よって、商いは秋無い!状態です。つまり、私の秋の予定はガラ空きです。今年の秋はあーきつい!です。ネットでの講義も執筆も読書ももう秋秋(飽き飽き)です。

さて、参議院浜田聡議員が参議院調査室に調査依頼をされてこの度下記のように回答を賜りましたので僭越ながら私よりご報告させて頂きます。

下線部分は私にて加筆させて頂きましたことをご了承ください。

参議院浜田聡議員の調査依頼内容

先日、総省の有識者会議でNHKがテレビ設置の届け出義務化を要望している、とのニュースがありました。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65073970W0A011C2EAF000/

内容はともかくとして、総務省の有識者会議に関して以下の調査をお願いしたく思います。

・総務省の有識者会議に参加している有識者を選定するプロセスはどうなっているか?

・元NHK職員でNHKから国民を守る党の党首である立花孝志が上記有識者に入れてもらう方法は?

・上記有識者会議の議事録が公開されているのであれば、その取得方法は?

以上の調査をよろしくお願いいたします。

参議院調査室からの回答

総合レファレンス窓口を通じて御依頼のあった標記の件について、以下のとおり回答いたします。

【総務省有識者会議の構成員の選定方法等】

御提示の新聞記事で言及されている総務省の有識者会議は、「放送を巡る諸課題に関する検討会」の下に設置された「公共放送の在り方に関する検討分科会」を指していると思われます。

同分科会の分科会長は、「親会座長が指名する」(親会:放送を巡る諸課題に関する検討会)とされており、指名された分科会長が「分科会の構成員を指名する」とされています。

なお、放送を巡る諸課題に関する検討会の座長は、総務大臣が指名するとされています。したがって、同分科会の構成員となるためには、分科会長の指名を受ける必要があります。

【「公共放送の在り方に関する検討分科会」の議事要旨】

同分科会は、「原則として議事要旨を作成し、総務省のホームページに掲載し、公開する」とされています。

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/housou_kadai/index.html

下記資料:放送を巡る諸課題に関わる検討会開催要項平成30年9月

所謂、有識者会議とは親会と子会が存在し、親会とは「放送を巡る諸課題に関する検討会」を指しています。この検討会の構成員は検討会の座長が指名しています。そして、その座長を総務大臣が指名します。

下記資料:公共放送の在り方に関する検討分科会開催要項令和2年4月17日

検討会の下に子会としてさまざまな分科会があります。その中での総論的な主要な会として「公共放送の在り方に関する検討分科会」があります。この分科会の会長は親会である「放送を巡る諸課題に関する検討会」の座長が指名します。そして、検討会の座長に指名された分科会の会長が分科会の構成員を指名します。

これらの指名するプロセスは明らかにされておらず、指名権者だけが規定されています。よって、総務大臣が指名した検討会の座長が主導権をもって親会も子会も人事を構成することが可能です。もちろん、当該座長は総務大臣によって指名されることから総務大臣の意図は少なからず反映することが可能であると思われます。

下記資料:平成27年10月放送を巡る諸課題に関する検討会について資料より

但し、構成員の選定基準については上記のような大枠的な基準も定められています。浜田聡議員が調査依頼されました項目にNHKから国民を守る党の党首の立花孝志氏が選任されるにはどうしたらよいのかということですが、少々方策を練る必要があると思います。参議院の調査室からの回答にはそのことに関しては一切触れられておりません。

上記の規定を見る限りは、オブザーバーでの指名であるならば不可能ではないように思えます。NHKから国民を守る党は公共放送における公平な受信料制度の確立を目的に放送法の改正を目指す団体ですので放送を巡る諸課題に関係する事業者団体であると位置付けることも可能だと思います。しかし、昨年の参議院選挙において97万票以上の国民の負託を受ける形でNHKから国民を守る党が公党となった今では、分科会のオブザーバーに指名されることは政治的な客観性中立性を保てないという解釈がされることが予想されます。検討会も分科会も広い分野から課題を検討して取りまとめて提言することで政治的な法改正や政令の発布に関しての議論の深化を図ることを旨としてのだと思います。

よって、いわゆる有識者会議の構成員に政党の代表者、つまり、政治を業とする者が、もしくは公に政治的判断を下せる者が任命されることは制度上の規定では否定されてはいませんが、有識者会議の性質や意義やその役割から考えた場合、私にはふさわしいとは思えません。有識者会議でもたらされた取り纏めや提言を受けて政党や政治家がそれぞれの政治活動の参考にしたり反映させることが適切なのではないかと思います。

下記資料:平成27年10月と令和2年9月の放送を巡る諸課題の検討会の開催案内より

上記画像の左側は令和二年の子会の分科会の構成員です。右側は令和二年の親会の検討会の構成員です。子会である分科会の構成員は9名ですが、そのうちの6名が親会の検討会の構成員を兼ねています。また、検討会の構成員は検討会がつくられた平成27年10月には16名でありましたが令和2年には19名に増えています。また、その間に辞めた構成員は1名です。新たに任命された者は4名です。それ以外の15名には平成27年の会発足時から変更はなく現在に至っています。

3つ目の質問に関しまして議事録は公開されておりますので総務省のホームページより閲覧が可能です。アドレスは参議院調査室の回答の末尾にあります通りです。

さて、せっかくの機会なので関係分科会の最新の議事録の中からNHKの受信料に関わる発言について探し出しましたので少しだけ検証してみます。

資料引用:令和2年9月30日公共放送の在り方に関する検討分科会議事録より要約して抜粋

武田総務大臣

「受信料に水準や公平性の面で納得されているのかといえば実際にはそうではないという声もたくさんあると 認識をいたしております。」

「衛星放送のチャンネルを減らしつつ、受信料水準はそのままとしている点は、特に負担感のある「衛星付加受信料」などを通じた還元に真摯に取り組まれることを期待します。」

NHK前田会長

放送センターの建て替えのためには多額の投資が必要となります。現在、建て替えを目指しております情報棟等の建物部分1700億円のみが引き当てておりまして、残る設備については全く引き当てができていないというのが現状です。」

「NHKの営業活動は、公平負担の徹底を図るために未契約の方や住所変更したものの連絡のない方を把握する必要があります。こうした方々を1軒ずつ人海戦術で把握する必要があり先ほど申し上げましたとおり年間300億円という多大なコストがかかっております。営業部門は様々 な努力を重ねておりますが、もはや限界に近いと思います。」

「未契約の方 への対応として、“受信機の設置届出義務の設定”と“居住者情報の活用”が可能となるように放送法の改正もぜひお願いしたいと思います。」

宍戸構成員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

「アはテレビを設置する契約者がネット配信も利用できるといった現在のイメージです。これに対して新しくなりますのはイとウという2つあると思うのですが、イは通信端末でテレビと同じように番組を視聴することをアプリの導入などで確認して契約するという、イギリス型のイメー ジです。もう1つ、ウとして考えられますのは通信端末しか持たない人も、それだけで総合受信料の対象とする、いわゆるネット受信料のようなものです。今後、同時配信をNHKの本来業務とするといった可能性にも関わりますので、この点について、 ア、イ、ウのどのイメージなのかを教えていただければと思います。」

NHK前田会長

「インターネットの普及がさらに進む中で、NHKが視聴者・国民にとって不可欠な情報基盤であろうとするならば、どちらかというとイのイギリス的なものが想定されるのではないかと考えております。」

永田構成員(全国地域婦人団体連絡協議会)

「全ての国民の居住情報をNHKが受け取るとなれば、国民的な感情からするとそんなにあっさりと納得できるものではないと思うのですが」

NHK前田会長

「契約をされていない方に限定されるわけです。現在未契約等の方の件数は、総世帯が5500万世帯ぐらいありますが、その中で1300万世帯ぐらいでございます。その方々の転居先とか、そういう情報をいただきたいということでございます。」

林構成員(名古屋大学大学院法学研究科教授)

「営業経費の高止まりの原因の1つとして、正確な居住情報の入手・活用ができていないということを挙げておられたかと思うのですが、受信機設置者等の居住情報を正確に取得・活用する制度の導入について、これはほかの先生方からも意見があったところですが、仮にこのような制度が導入されたとしても受信契約をしていない居住者の方に支払いのお願いの連絡をしても相手方はもともと受信設備をお持ちなのに受信契約しておられないわけですから、NHKから郵送等、あるいは電話で受信契約のお願いのご連絡をしても、なかなか返事が返ってこないことも想定されるのではないかと思います。そうすると結局、訪問営業に行かざるを得ず、そうなると当初想定していたような数十億円単位の営業経費の削減にはつながらないのではないかとも思われます」

NHK前田会長

「営業経費のチェックは非常に悩ましいことがございますが、私どもとしますとまず届出義務化のほうを少し入れていただくだけで大きく変わると思っておりまして、もちろん訪問営業ゼロにはなりませんが、今一番悩みがあるのは、やはり都市部の訪問でして、大型のマンション等でも、そもそもどこにどなたが居住されているかというアプローチすらできない状況になっておりますので、ここを少し、居住者情報等によって、無差別でなくてピンポイントでできることになれば、かなり営業経費のコストは下がると思っております。」

多賀谷分科会長(獨協大学法学部教授)

「受信機の設置の申告義務をご希望なわけですが、現在の仕組みは契約締結義務という形になって おります。その場合、設置届出義務と現行法上の契約締結義務の関係がどうなっているかということがちょっと分かりませんのでお教え願いたいわけです。」

NHK前田会長

「今の放送法の建前は設置をした方は契約をするということになっておりまして、設置をしたかどうかというのは、実は分からない状態でございますので設置をした方が届けていただくというところまで入れていただくと、その次が契約をしてくださいとなっておりますので、設置の届出が直ちに支払い義務ということではないという理解をしておりまして、よりスムーズに契約をしていただけるための、1つワンクッション、設置をしたところを届けていただきたいという条文が入ることによって営業活動もはるかにやりやすくなるということです。」

上記の議事録から武田総務大臣のご指摘があったNHKが衛星放送のチャンネルを減らしても受信料が減額されない理由として、NHKは放送センターの建て替えに着手しており、多額の建て替え費用は引き当てているが多額の設備費用の引き当てが今後必要となること、併せて、視聴者が転居等で契約に変更が必要な時や転居先での契約状況の把握などを職員の人海戦術によって行っていることが負担になっているからだとしています。NHKはインターネット同時配信に関してもアプリのダウンロードによる登録に並行して受信契約を促進するイメージを肯定しています。また、受信契約の未契約者は1300万世帯だということです。確かに1300万世帯の居住情報を訪問活動で確認することは気の遠くなる作業です。それを理由にNHKは現状において営業コストが削減できず受信料はほぼそのまま据え置かれています。その解決策としてNHKは受信設備設置の届出(移転後の未設置も含む)を義務化したい意向と国民の居住情報(全国民ではなく未契約者のみ)の取得を可能とする法的な規定を求めています。国営放送ではなく、国家や政権の影響力を直接的に受けないように制度設計されたはずの放送法において国民の居住情報を法的に有することを可能にすることは放送法の趣旨に合致しないように思えます。NHKとしては受信設備設置の届出の義務が即受信契約締結に繋がるわけではないとしています。NHKの営業活動を補助するためのような趣旨をNHKは言っていますが国民の居住情報はそのような補完的な情報ではなく重要な個人情報のようにも思えますので、NHKが言う国民の居住情報のとらえ方には多少の違和感を感じます。ただ、受信設備の届出を義務化する案にやみくもに反対を表明するのではなく、公平な受信料制度にどうすればなるのか、いかにそれに近付けるのかを考えて行かないといけません。スクランブル放送の導入はその一案に過ぎません。国民の多くが受信料を支払っている現状を基準に考え、支払っている者が不利益を被る現状の改善を考えた時には、民主主義に則り全世帯の契約義務化と支払い義務の法定化、もしくは一部スクランブル放送の導入、もしくはNHKの分社化、もしくはNHKの広告放送の導入、もくしくは民営化、国営化、半官半民化、公社化など様々な議論を進めなければならないと思います。有識者会議では放送の環境の変化や技術革新やメディアの多様化への対応、そして、受信料に関しては料金の高低にばかりにとらわれているように思います。多くの国民の関心事であり関りを持つ受信料制度の抜本的な改革を前提とした議論は為されていないように感じます。政権与党はNHKの現状の諸問題に対して変更や改善を図るだけではなく、NHKの運営の原資となる受信料契約に係る制度の抜本的な改革を図ることが全国民の利益に繋がるということを認識すべきです。受信料制度の抜本的な改革について総務省に伝達し、有識者会議のおける論点として整理されることを可及的速やかにすべきだと考えます。世帯総数5500万件のうちで1300万件が未契約世帯であることは並大抵ではない深刻な状況です。NHKから国民を守る党はNHKの受信料制度を平等なものに改善するべく取り組んでいます。受信料を支払っている4200万世帯の不利益を無くし、未契約の1300世帯の不条理に応える、双方の軋轢の要因を探求し、日々をNHKの受信料問題という全国民的な課題に真摯に取り組む政党です。都構想などの局地的な課題に取り組む政党ではなく、NHKから国民を守る党は日本国に住む全世帯に利害関係が及ぶ国民的な課題に対して集中的に取り組む唯一の政党なのです。広くご理解を賜りご指示、ご支援を賜れましたら幸いです。

最後までご拝読を賜りありがとうございました。

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