消費者センターへの放送サービスに関する相談について
昨日は参議院会館に浜田聡議員のお手伝いに伺ってました。11月11日はポッキーの日らしいですね。少し前まではもやしの日だと言われていたような気がします。ただ、私にとっては通信簿の日でした。1が並んでおりましたので。まさしく閻魔帳でした。煙突とあひるが並ぶ閻魔帳でございます。。。
さて、昨日はわけあって消費者白書→消費生活年報→PIO-NETにみる消費生活相談という順番で放送サービスに関する相談に関する統計を辿ってみました。
下記:photoACフリー画像より
2019年における消費生活相談センターおいて放送サービスに係る相談件数は11580件で全体の1.2%の16位です。それが多いのか少ないのかという議論は様々であると思いますが、問題に思うのはその件数やシェアがほぼ変わらず数年間横ばいで推移していることです。放送サービスの相談件数だけが相変わらず横ばいの件数だということではありませんが往々にして常連と言える該当分野のひとつです。社会生活上、必要なサービスであり不朽のものだと常連的に相談件数が多いというのは止むを得ないことかもしれませんが、5年以上も相談や苦情の件数の減少が見られないということには余程根深い問題が存在しているのだと思います。消費者庁が存在し、消費生活センターのネットワークが1200か所以上に所在しているにも関わらずです。
放送サービスに係る相談件数は2015年は12位12979件1.4%、2016年は13位12679件1.4%、2017年は10位15463件1.6%、2017年は14位で12847件1.3%です。実に安定して同様の件数で推移しているということをわかっていただけるでしょう。
では、放送サービスに対する相談内容の具体的なカテゴリーとしましては圧倒的に訪問販売についてが多いです。訪問販売に関しての相談の代表的なものは新聞が多いのですが、次いで多いのが放送サービスです。2019年の放送サービスの相談件数である11580件の中の6024件が訪問販売についての相談となっています。次いで接客対応に関してが1996件、さらに価格料金についてが1807件です。訪問販売、接客対応、価格料金の3分野で放送サービスに関わる相談の約85%を占めています。
放送サービスに係る代表的な業者は日本放送協会つまりNHKです。放送に料金設定があるのはNHKだけですし、商取引として顧客対応するのもNHKだけです。そして、放送サービスに関して個別訪問活動するのはNHKですし、アポなし個別訪問活動はNHKの専売特許のようなシステムです。
国民消費生活センターに寄せられる放送サービスという分野は凡そNHKを指しているとして置き換えて考えても差しさわりがないと思います。
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)という情報共有システムを国民消費者生活センターが運用しており年間90万件超えるデータを蓄積することができます。このPIO-NETは広範囲における情報共有が可能となっています。情報提供先としては国会、中央省庁、警察、消費者団体、裁判所、弁護士会にまで及びます。そして、それらの情報を消費者政策の企画立案、法執行に活用できます。また、消費者に対しても注意喚起を促しています。相談内容が商品に関することである場合は商品テストを行うことがあり、調査分析や実態把握もこのPIO-NETを利用しています。これらPIO-NETで明らかになった事柄に関しては公表を行い消費者への情報提供を行っています。
PIO-NETのアライランスは理想的であり法的に公的に張り巡らされたシステムであるにも関わらず、こと放送サービスに関しての相談件数は減ることはありません。では、システムが機能していないのでしょうか。そうは決して思いませんが結果になかなかつながらないという現状も現実としての事実です。国民消費生活相談センターでは暮らしの判例というパブリシティを公開しており〝NHKとの放送受信契約の成立時期、受信料支払義務の発生時期と消滅時効の起算点“などを説明し公開しています。放送法第64条と民放第169条、第166条一項、放送受信規約第4条一項、5条に関連しての解釈を説明し国民に周知を図っています。それ以外にもHPでテーマ別に時事的な問題に対する相談内容と注意事項や情報提供を関係法令も併せておこなっています。
また、連動している、いないに関わらず行政指導に関しては指導内容と消費者への注意喚起を行い、行政処分は処分内容と業者名を公表しています。
各地の経済産業省消費者相談室においては個別具体的な案件の相談には乗れないのですが、消費者庁と消費者庁関連機関に繋げるように対応しています。
このようにある意味隙間なく対応窓口を設け、連携するシステムを構築し、行政処分や行政指導にも繋げているにも関わらず相談件数の実数に影響しないということは不可解にも感じます。
例えば日夜警察が治安維持と犯罪の取り締まりに励んでいるにも関わらず刑法犯認知件数が一向に減少しません。犯罪の種類によっては増加することもあります。これは警察が努力を惜しんでいるわけでもありませんし、職務を怠っているわけでもありません。むしろ、積極的に犯罪に立ち向かった結果として検挙数が増えているのでしょう。検挙数と犯罪の防止や生活安全の向上の啓蒙や周知のバランスが取りずらいフィールドということに他ならないのだと思います。
国民消費生活センターの放送に関する相談件数が減少しないのは、経済産業省および消費者庁の真摯な取り組みとしてトラブル防止に対する啓蒙も行った上で増加を防いでいる、つまり、不断の努力によって現状を維持しているという状況なのかもしれません。よって、NHKの訪問活動について根本的なルールの改正や受信契約の取り決めが変わらない限り大きな改善は望めないのではないかと思います。
そこで、NHKから国民を守る党の党首立花孝志が問題提起する弁護士法72条とNHK委託会社の訪問活動内容との法的な判断を得ることは6000件を超える国民消費生活センターに寄せられる相談者の大いなる助けになる可能性がありますし、それによって公平な受信料制度の見直しについての国民的な議論を喚起する契機となるかもしれません。
最後に消費者白書と消費生活年報は双方ともに同様の内容を網羅されていますが、具体的な内容や企業名は一切明らかにされていません。行政処分に至ると明らかにされるわけですが、実際には処分対象になっておらず相談件数が多いというだけの段階ではその企業名や団体名、それを憶測できる名称などは明らかにする必要はないかもしれません。処分対象でない企業名や団体名が表記されると情報の受取る側にとっては正偽を疑う対象であるかのような印象を抱く可能性があります。
気になるのは消費者白書と消費生活年報の両方が必要なのかどうかということだと思います。国民消費生活センターも消費者庁の関連機関です。それぞれが別々に同じデータを基に統計や傾向を纏める必要はないと思います。国民消費生活センターはPIO-NETで相談内容と対応の情報を共有しているのですから消費者庁にフィードバックする必要すらなくデータを把握することができます。よって、国民消費生活センターは現場対応に注力し、消費者庁が消費者白書を発行することで事足りると思います。
以上、最後までご拝読賜りありがとうございました。
参考資料
消費生活年報2019
http://www.kokusen.go.jp/pdf_dl/nenpou/2019_nenpou.pdf
令和二年版消費者白書
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2020/
国民生活センターについて
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/meeting_001/pdf/meeting_001_190416_0024.pdf
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