外為特会と特別会計について(参議院浜田聡議員のお手伝い)
最近、とっても、いそガーシー。
皆さんは外国為替資金特別会計という言葉を聞いたことがあるでしょうか。所謂、外為特会という言われるものです。一般会計歳入において「その他収入」というものがあります。
下記:国税庁作成、国の収入と税より
上記の図より、その他収入が6.6兆円(6.4%)も占めており大きい収入であることがわかります。この「その他税収」は主に日本銀行による国庫返納金、国債整理基金特別会計、ならびに外国為替資金特別会計で構成されています。
外国為替資金特別会計は本来、外国為替のレートを安定させる為に政府が為替介入する時の為の資金として特別会計に充てられています。日本の技術力や産業競争力は比較的高いので放っておくと円高が進む傾向にあります。そこで政府が為替の安定的なバランスをとる為に介入できるようにしています。介入は財務省が行い、日本銀行はその代理にあたります。実際には2013年以降は介入の実施がほとんど行われていません。それでも外国為替資金証券が発行されて当該会計の残高は増加して行っています。この証券は保有する外国債からのドル建ての金利収入にあたります。金利収入を証券化して財務省の要望により一般会計に繰り入れています。為替介入の為のファイナンスではないという理由付けを行う為に証券化して一般会計に戻すということにしています。実質的な赤字国債と言ってよいのかもしれません。外為特会の総資産は令和2年には137兆円に上っています。外為特会は制度上、一般会計から独立していますが、凡そ利息受け取り分にあたる2兆円前後が一般会計に繰り入れられています。
デフレが進行している場合、為替レートは上昇しやすい状態です。そして、円高は輸入費の価格を下げるのでデフレを進行させます。円高がデフレのスパイラルを引き起こし、輸出を主とする製造業に深刻な悪影響を及ぼします。よって、財務省は日本銀行を代理人として為替介入を行ってきたのです。このことは日本銀行法第40条2項に規定されています。国際的にはユーロも米国も中央銀行が外国為替市場に介入できます。直接、介入していないのは日本とイギリスぐらいかもしれません。とはいえ、2006年以降は日本以外に為替介入する国はほとんど見られません。今では中国ぐらいしか為替介入していません。中国の外貨準備額は2022年4月において3兆1880億ドル、日本は1兆4093億ドルとなっています。諸外国が中央銀行の独立性を重視している観点からすると、日本の財務省主導の介入は問題があるのではないかと思います。
外国為替資金特別会計の利益は外国為替等売買差益から生んでいます。介入により購入したドル資金をドル建て債券で運用しており発生する金利が収入となっています。
資料:財務省、令和2年度外国為替資金特別会計の外貨建資産の内訳及び運用収入の内訳
外為特会の収入は2兆4381億円に上ります。ここから損失として借入金の利子が引かれます。これは証券の利払いにあたりますが極めて低い金利に設定されています。損益は年度によって変動しますが、毎年2~3兆円程度が計上されます。
その中から「積立金」と「一般会計繰り入れ」に分けて処理されています。積立金は内外金利の逆転に対する備えと円高が進行した際の評価損に備える為です。
下記:財務省、外国為替資金特別会計財務書類
上記のように23兆8705億円の損失を抱えたまま、それが慢性化しています。つまり、過去から積み上がっている外貨建ての資産の評価損を解消することなく今に至っています。
外国為替資金特別会計は、一般会計から独立し、外国為替資金証券として独自のファイナンス形態をとっています。そのことが結果的に外為特会から一般会計への繰り入れを可能にしているのだと思います。外貨建ての資産の評価損が巨額のまま解消されない場合は、外国為替資金証券が本来の趣旨から逸脱し、赤字国債が隠されている状態になっていると言えます。よって、外国為替資金特別会計自身の損失が解消されてから一般会計に繰り入れるべきだと考えます。
特別会計自体の問題を検討してみます。そもそも、国家の予算を特別会計と一般会計を分ける必要がないと考えます。国家にはふたつの財布があり、特別会計は官僚の財布、一般会計は政治家の財布と言われています。官僚の財布である特別会計は年間約250兆円の予算が組まれていると言われます。一方、政治家の財布と言われる一般会計は年間約100兆円です。特別会計は、予算規模以外はほとんど公表されていませんから詳細を把握することは容易ではありません。国民の負託を受けた政治家が議論して承認するのは政府予算全体の凡そ1/3以下の一般会計だけなのです。国の財布を特別会計と一般会計になぜ分けるのでしょうか。なぜ、特別会計は政治家に立ち入らせないのでしょうか。特別会計はなぜ詳細を公表しないのでしょうか。それは官僚の既得権を増殖し、維持し、厚遇する為なのではないでしょうか。官僚たちの天下りポストや利権的な受発注や入札、随意契約など公に出来ない既得権がアメーバーの如く各界に張り巡らされ肥大化してきたのではないでしょうか。その闇に塗れた特別会計の財源になっているのが年金、健康保険、道路、自動車、労災、食料、登記、特許、国有林、農業、漁業、エネルギーなどの国民の負担金を財源としています。なぜ、国会で特別会計を審議対象としないのでしょう。官僚達は人事と天下りポストと特別会計の予算を一体化させているのではないかと疑ってしまいます。もし、違うのなら特別会計を廃止して国家予算を一本化するべきだと考えます。
森友問題の土地も特別会計です。米国債を外為特会で買い支えてきたと言いますが実際の保有額も不明です。特別会計は会計検査院の監査対象にもなっていません。また、一般会計のうち約50兆円を特別会計に繰り入れたりすることで財務省は資金の流れをあえて複雑化し国民の視線を逸らしているのではと思います。
年間約250兆円規模の特別会計にメスを入れることで年間約20兆円の消費税くらいは補えるのではないでしょうか。2002年に特別会計について追及していた民主党の石井紘基衆議院議員が刺殺されています。事件現場からは特別会計や整理回収機構について質問する予定の資料が持ち去られています。服役中の犯人は殺害を頼まれて実行したことを明かしているが、その依頼者については自白していません。
このようなテロに屈してはいけません。特別会計が国家のへそくりだとすれば、一般会計の2倍以上の予算規模に膨れ上がっているのです。そして、へそくりはあくまでへそくりで、その詳細は闇の中のです。国家予算を国民の手に取り戻し、健全性のあるガラス張りの予算組と執行を行なえるようにしないといけません。それは国会議員に課せられた大きな課題、もしくは使命と言えるでしょう。
参考資料:令 和 2 年 度 外国為替資金特別会計財務書類
財務省、外国為替資金特別会計の外貨建資産の内訳及び運用収入の内訳等
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/gaitametokkai/index.htm
世界経済のネタ、日本の外貨準備高の推移
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