候補者名を記入した投票用紙を公開する行為について(参議院浜田聡議員のお手伝い)
暑い72です。5572。1172。
先日の水曜日には参議院浜田聡議員のお手伝いに上がり下記の件を検討しましたのでここに記します。
先の第26回参議院選挙において投票用紙を撮影してインターネット上に画像を公開する様子が多くみられました。例えばNHK党の比例区の候補者である「ガーシー」と記入した投票用紙をSNS上にアプロードすると、当のガーシーから「いいね」と呼ばれるアクションが見返りとして与えられるという。「ガーシー」と書かれた投票用紙を撮影してアップロードしている人たちの多くはその見返りを目的としていることが多いと思われます。その多くの人たちはガーシー氏をタレントや芸能人と同様に位置付けているのだろう。だからこそ、ガーシー氏からの「いいね」のアクションはありがたいものと感じるし、ガーシー氏に喜んでもらいたいと思うのでしょう。実際にはガーシー氏は有名人ではあるが芸能人でもタレントでもないとは思うのですが。
さて、上記に見られるような行為、つまり、自身の投票用紙を撮影しインターネット上に公開する行為は期日前投票の期間に関しては法的には問題はないようです。一種の選挙運動と見なしていて、インターネット上での投票の呼びかけは既に解禁されています。各地の選挙管理委員会の多くは基本的な考え方としてそのような行為を「遠慮いただいている」としています。「遠慮いただいている」は強制ではなくあくまでも管理者からの要望です。選挙管理委員会では投票所の秩序を守ることを前提として判断しているとしていますが、他者が写り込んでしまったり、シャッター音が心理的に影響を及ぼす恐れがある場合などは制止を要請することも可能です。選挙の投票日においては上記の行為は許されません。選挙の投票日は、選挙運動は禁止されています。候補者名を記入した投票用紙をインターネット上に公開することは選挙運動の一環と見なされる可能性が高いからです。
第26回参院選においてSNS上に多くの候補者名が掛かれた投票用紙が公開されていますが、選挙の投票日にも同様の画像が相当数公開されていました。つまり、選挙運動の一環である行為と選挙運動が終了した後の行為では180度扱いが違うということが広く周知に至っていなかったのだと思います。選挙運動期間中に投稿したものについては削除しなくても良いことになっています。ただ、既に投稿した内容を更新したり、リツイートによって投票を呼び掛けることはできません。
期日前投票において投票先を記入した用紙の画像を撮影しSNS上で公開する行為について法的に規制するものではないとは言うもののしっくりこない気もします。投票所内での撮影を許してしまうと票の売買や投票先の強制が容易に行われるようになってしまうのではないでしょうか。二本線で訂正することは出来たとしてもある程度は投票の裏付けが出来てしますことから票の売買や強制を後押ししてしまうような気がします。それだけではありません。憲法第15条では「すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。」とあります。投票の秘密を直接的に侵すことはないにしても、優越的な地位にある者から投票の依頼を受けて、承諾せざるを得ない場合にそれを実行した証拠として投票用紙の撮影画像が要求されることもないとは言えないと思います。このようなケースでの画像の撮影は投票の秘密を間接的に侵しているようにも受け取れるのではないでしょうか。また、上司や団体役員に投票用紙を見せる必要があるから撮影するというのは上司や団体役員からの強要にすぎないと思います。
現在では不明ですが、以前にイタリアで総選挙の投票所への携帯電話や動画や静止画が撮影できる機材の持込が禁止されていました。有権者と政治家の癒着を防止することを懸念しての措置だと言います。韓国でも撮影は禁止されています。韓国では厳しい罰則規定が設けられています。
最後にあくまでも私の個人的な感想です。投票先を記入した投票用紙をSNS上で公開する行為には慎重であるべきだという気がします。今回は「ガーシー」という有名人が取沙汰されましたが、この手法が有効だと知れるとエスカレートしていく可能性もあるのではないでしょうか。今回の参院選でも水道橋博士氏や中条きよし氏や生稲晃子氏、高見知佳氏、松野明美氏、青島健太氏ら芸能人や元アスリートが立候補しています。芸能人ではなくても山本太郎氏や三原じゅん子氏や今井絵理子氏など政党の代表や人気政治家などの有名人も多数います。そのような芸能人やアスリートや有名人が自分に投票してくれる人をSNS上で募り、投票したと思われる画像をSNS上に公開することで「いいね」や「フォロー」を確約するなどの見返りを約束するとその知名度を利用して更なるアドバンテージを生むことに繋がるのでは思います。現状においてそれは決して不可能なことではないということです。芸能人や有名人やアスリートの「いいね」や「フォロー」はファンの方々には単なる承認行為に留まらない価値のあるものなのかもしれません。それは考えようによっては有価物に倣うものであり、そのような見返りが際限なく膨らんでいき、選挙の見返り合戦になってしまわないかということを危惧しているのです。それでなくても芸能人や有名人が有利である選挙なのに益々その傾向が広がってしまうような気がします。
参考:読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/20220707-OYT1T50254/2/
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E7%AC%AC15%E6%9D%A1
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