労働保険審査会委員の国会同意人事案について

小泉進次労災(´;ω;`)ウッ…

 労働保険審査会委員の国会同意人事案についてである。労働保険の保険給付等に関する処分について不服のあるときは、各都道府県労働局に置かれる労働保険審査官(労働者災害補償保険(労災保険)については労働者災害補償保険審査官、雇用保険については雇用保険審査官)に審査請求をする。審査官の決定に不満があるときは労働保険審査会に再審査請求できる。労働保険審査会の職務の多くはこの労災と雇用保険の決定に対する再審査であるが労災に関するものが9割以上である。令和4年の再審査の請求件数は労災519件、雇用保険19件であった。労災で決定が覆ったのは僅か13件、雇用保険は0件である。労働保険審査会のメンバーは常勤が6人、非常勤が3名で構成されている。常勤委員は一人当たり年70件、非常勤委員は一人当たり年20件の審理を受け持っている。

 労災に関する採決のケースは多様である。業務上外、治癒認定、再発認定、障害等級、給付日額、受給権者、労働者資格、通勤災害などである。それらに該当するすべての事案において状況も事情も違う。医師の診断書や勤務記録などから個別に可否を判断する。高い高潔性と医師の専門性、法曹者の広く深い学識が必要となる。

 常勤の委員に再任予定の甲斐哲彦氏は元東京家庭裁判所長である。裁判官としての経歴は長く東京高裁部統括など要職を歴任している。逆に民間人としての経験はなく国民目線にどれだけ立てるのは少し不安でもある。だが、既に当会委員を3年務めてきたことから労働問題にも精通しつつあると思われる。よって、再任は妥当であると考える。

 非常勤の委員として新任予定の塚田弥生氏は循環器分野の専門医である。労働保険の裁定でも最も重要視される資料が医師による診断記録である。高い専門性を要することも多く医師の見識は必要不可欠である。同氏は日本医科大付属病院での診療経験も豊富であり、産業医の資格も所持している。日本医科大学武蔵小杉病院副院長との兼職となるが労働保険審査会の委員としての活躍も期待したい。当が委員会に3名しかいない医師の委員であることから新任案に賛成するべきだと考える。

 以上、労働保険審査会の国会同意人事案には概ね同意することが適当であると思料する。


参考

労働保険審査会 厚労省

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/roudou/index.html

労働保険審査会 Wiki

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E4%BC%9A

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