カジノ管理委員会委員の国会同意人事について
肝心の。
カジノ管理委員会の委員長の新任案と委員の新任案、委員の再任案、計三名の国会同意人事案についてである。任期は5年、委員長ふくめ定員は5名。うち2名は非常勤とすることが規定されているが何故か現状は4名が常勤で非常勤が1名しかいない。要するに規定を違えた状態にある。今回の人事案の中の再任案である渡路子氏は再任にあたり常勤から非常勤に変更する案となっている。渡路子氏は既に2025年1月に藤沢市で精神科クリニックを開業予定となっておりHPにて告知されていた。当委員会の開催は月2回程度で金曜日の開催となっている。渡氏のクリニックの定休も金曜日になっていることから委員会に参加することに支障はないと思われる。カジノ事業が開始しているわけでもないのでIR事業による依存症者は存在しない。非常勤で十分だし、既に勤務経験のある渡氏の任命に関しては妥当であると考える。
佐藤隆文氏は常勤の委員長に新任予定である。元高松高等検察庁検事長であり高検察庁の監察指導部長や公安部長などを歴任した。1995年に起きたオウム真理教の地下鉄サリン事件では被疑者や被害者の遺族の事情聴取などを担当したこともあるという。現在の最高検察庁長官である畝本直美氏の夫である畝本毅氏の後任として高松高検検事長に就いた。カジノと犯罪を結びつけるのは早計であるが検察エリートが当委員会の委員長に就任することは妥当に思える。
垣水純一氏は常勤の委員に新任予定である。東京大学経済学部を卒業後、大蔵省に入省。福岡国税局長、名古屋国税局長、関東信越国税局長、税務大学校校長を歴任した。総合政策課経済政策分析官兼財務総合政策研究所特別研究官を最後に定年退職となり青山学院大学法学科特任教授となっていた。何故か尻つぼみの経歴ではあるが超がつくエリートであったことは確か。父は大蔵省関税局長、祖父は一橋大学初代学長である。垣水純一氏が健康である限り新規の常勤委員に就任することを反対する理由は見つからなかったことから人事案は妥当だと考える。
さて、カジノ管理委員会についてであるが、特定複合観光施設区域整備法(IR整備法)が平成30人に制定され、内閣府の外局として設置された。カジノ事業免許等に係る厳格な審査、カジノ事業者等に対する監督、カジノ関連機器等の技術面の監督、依存防止対策、外国規制当局との連携、国際対応が主な任務となる。IRは未だ審査段階で決定された事業案はない。とはいえ、6年にも渡ってだらだらと様子見の状態が続いているのは大阪案の進展を見計らっているのではないだろうか。大阪万博の開催によってインフラ整備を行い、その素地を利用して跡地にIRを開設することは事業者にとって願ってもない整備に関するコストダウンに繋がる。大阪にとって万博コストは莫大であるが万博の開催&IRの誘致に関する費用だと考えると高い買い物でなくなるかもしれない。現にカジノ管理委員会では大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業と九州・長崎特定複合観光施設区域整備計画のみが議題に上がっているが、長崎IR案は資金的な裏付けが明確ではなく、ノウハウを保有しているのはオーストラリアの事業者1社のみとなっており運営に不安が残る。よって、実質的に大阪案で進む方向だと推察される。
カジノ委員会については毎年20億以上の予算措置を受けているが予算執行率は50%前後で推移してきたので令和6年度は当初から半分の10億円程度の粗餐措置となっている。ところが令和7年はその4倍となる約40億円にも上る予選請求をしていることからその内容の妥当性について厳正な確認が必要だと考える。そもそも、事業開始の目途も決まらず、事業者も決まっていないのに城山トラストタワーに167名という体制を敷いているのが異常である。その半分で十分ではないか。計画を作るのではなく審査する側である。いったいこれだけの人数が1日7時間45分の勤務時間中に何をしているのか、まさかカジノをやっているのではあるまいな。
参考
湘南診療ベース 辻堂クリニック
https://www.shonan-base.jp/clinic/#a02
カジノ管理委員会 HP
https://www.jcrc.go.jp/index.html
佐藤隆文
https://yamanaka-bengoshi.jp/wp-content/uploads/2023/08/b83d2659693ff567db04fe971a67414e.pdf
垣水純一
https://www.weblio.jp/content/%E5%9E%A3%E6%B0%B4%E7%B4%94%E4%B8%80
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