労働保険審査会委員の同意人事案について
労働保険審査会委員の同意人事案についてである。本委員会については昨年同時期にもレポートしている。そこから一部を引用する。https://masahikosakamoto.amebaownd.com/posts/52409506
「労働保険の保険給付等に関する処分について不服のあるときは、各都道府県労働局に置かれる労働保険審査官(労働者災害補償保険(労災保険)については労働者災害補償保険審査官、雇用保険については雇用保険審査官)に審査請求をする。審査官の決定に不満があるときは労働保険審査会に再審査請求できる。労働保険審査会の職務の多くはこの労災と雇用保険の決定に対する再審査であるが労災に関するものが9割以上である。」
「労災に関する採決のケースは多様である。業務上外、治癒認定、再発認定、障害等級、給付日額、受給権者、労働者資格、通勤災害などである。それらに該当するすべての事案において状況も事情も違う。医師の診断書や勤務記録などから個別に可否を判断する。高い高潔性と医師の専門性、法曹者の広く深い学識が必要となる。」
人事案は常勤の2名であり、2名とも二期目の任命予定で任期は3年である。比佐和枝氏は早稲田大法卒の裁判官で定年に至るまで東京高裁、仙台高裁、千葉家裁、横浜家裁などで判事を務め静岡家裁所長にて定年退官した。司法実務に長く携わっており公平適正な審査が期待できることから比佐氏の再任案には賛成するべきだと考える。
もう一人の再任案は廣尚典氏である。廣氏は産業医科大卒の医師である。専門は精神保健学であり産業医科大学の名誉教授も歴任した。また、産業医として労働者と向き合い、ストレスが少なく働きやすい職場づくりや不調者が出た時の対応策などに取り組んできた。本審査会における関連分野としての見識も深く、見識に基づき適切に審査することが期待できることから廣尚典氏の任命には賛成するべきだと考える。
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