国会法及び議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律の一部を改正する法律案について

赤痢ってクリアざんす。

 国会法及び議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律の一部を改正する法律案についてである。この改正は昨年5月10日に成立し、5月16日に公布され、今年の5月16日に施行予定である重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律、いわゆるセキュリティ・クリアランス法に則して国会法においても必要な改正を行うものである。

 セキュリティ・クリアランス法とは、国家における情報保全措置の一環として、政府が保有する安全保障上重要であるとして指定された情報にアクセスする必要がある政府職員や民間事業者などに対して、政府が調査を実施し、信頼性を確認した上でアクセスを認める制度である

昨年の通常国会では野党からの反発もあり、政府は野党案を取り入れて、衆議院での採決の直前に、重要経済安保情報の指定や解除の情報のほか、国が信頼性を確認する際の調査の運用状況を毎年国会に報告することなどを盛り込んだ修正案を提示して本法案を成立させた経緯がある。私も昨年に同法案について調査した記事(https://masahikosakamoto.amebaownd.com/posts/52590330

を書いているが、スパイ行為を取り締まるとすれば抜け穴だらけの状態の法案であることは間違いない。とはいえ、何もしないよりかはするに越したことは無いのは確かだ。

 さて、国会法での改正点は大きく分けて2点。情報監視審査会の所掌等及び職員の適性評価その他の保護措置並びに委員会等が情報監視審査会に対して審査を求め又は要請するときの手続について、特定秘密に準じて、重要経済安保情報に関する規定を追加すること。もうひとつは議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律に基づく証言又は書類の提出について、特定秘密に準じて、重要経済安保情報に関する規定を追加することである。いずれも2014年に施行された特定機密保護法で日本の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものとされた特定機密の指定に準ずるとされている。つまり、国会法に記載される「特定機密」を「特定機密又は重要経済安保情報」「特定機密もしくは重要経済安保情報」に置き換えるということである。併せて、「特定機密保護法」は「特定機密保護法及び重要経済安保情報保護活用法」とする。

 国会においても重要経済安保情報を受け取ることも大いにあり得る。既にセキュリティ・クリアランス法が成立し公布され間もなく施行されることから国会法においてもその整合性をとることは当然のことである。国会に特定経済安保情報を寄せる者にとっても漏洩に対する罰則付きの法律と審査を通過した者だけが情報に接することができるセキュリティ・クリアランス制度があることは有益であろう。情報を堅固に守れば守るほどより重要な情報提供を受けることができることに繋がる。その情報が公益なものであれば猶更である。

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