「夏まつり」ヒットソングのあれこれを検証してみた
アートのマツリ
8月のお盆を過ぎると今年の夏もラストスパート。残された夏休み期間に夏祭りや花火大会がラッシュを迎える。私はアラフィフ男性。夏の終わりは切ない印象を抱く人も多いと思うが私は比較的好きな時期。「うつむいたひまわり」「残暑に忍ぶ秋風」「足早な夕暮れ」など季節の節目としてはエモく表現されることが多い。望む望まぬを問わず夏の終わりは必ず来る。来年になればまた夏はやってくるのだが、今年の夏とはもう会えない。切ないようで美しい。終わりがあるから美しいのである。
さて、夏になるとよく聞く曲、この曲が流れてくると夏だなと思う曲があなたにもあるだろう。例えば「夏祭り」。以下に代表的なもの挙げる。
「あー夏休み」TUBE
Hold Me Tight だって恋みたい 指が切ない 砂の数ほど 愛したいけど
It‘sall night 泣いたっていいんじゃない 粋な別れに あー夏休み
チョイト 終わらないで もっとまだまだBaby
どうやら夏の終わりと失恋がテーマとなっている。夏の終わりと共に恋の終わりを迎える名残惜しさを歌った名曲。別れた彼女の幸せを短冊に願うあたり、未練の大きさが半端ない。
「夏祭り」Whiteberry
君がいた夏は遠い夢の中 空に消えて行った 打ち上げ花火
この曲は片想いの曲。打ち明けられなかった恋心を打ち上げ花火の残像に例えている。過去の切ない出来事を振り返る曲。この曲はWhiteberryによるカバーであるが、オリジナルのジッタリンジンの好きだ。ジッタリンジンのバージョンは2ビートの軽快がある。この曲はヤクルトスワローズのチャンステーマにもなっていて神宮の夏のライトスタンドには欠かせない。もちろん打ち上げ花火はホームランのこと。
「少年時代」井上陽水
夏が過ぎ 風あざみ 誰のあこがれにさまよう 青空に残された 私の心は夏模様
タイトルからわかるように少年の時に抱いた夏祭りが寄せた胸のたかなりを夏模様と表現している。自分ではなく誰かが憧れた道を歩む自分を「彷徨う」と表現し、少年時代に持っていた自分の生き方を美しく儚い花火に置き換えている。思い通りの人生を歩んでいる人はそう多くないだろう。希望を抱いていた少年時代の前後は夢である。確かにその通りであろう。少年時代のワクワクした将来に思いを馳せていることが陽水にとっての夏模様なのである。
「夏まつり」長渕剛
いつまでこうして君と 寄り添い方を並べて 来年の夏も 線香花火できるといいのにね
燃えて散るのが恋ならば そのまま消えずにかがやいてくれ
私が中学生くらいの頃、勝手もらったばかりのギターで必死に練習した曲。初めて弾いたスリーフィンガーの楽曲でイントロが繊細で抒情的だった。花火大会ではない、夏まつりでのひと時と線香花火をする二人。線香花火をきれいだと言いつつ、彼女に自分の気持ちを伝えているあたりが小説的。彼女との関係に抱く不安とずっと一緒にいたいという願望を現わした曲。不安だらけの思春期の男性の弱さを感じる。二人で、浴衣で、夏まつりに行って、わたあめ、おみくじ、金魚すくいに線香花火をしているのだから、私からすれば羨ましい限りだ。
以上、夏や夏祭りに関する曲は桜ソングに負けないほどある。往々にして何故か失恋ソングが多い。
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