世にも珍しいコンサートに行ってみた(半崎美子)
なにを有楽町ホール。
芝居でもないし、音楽一辺倒でもない、ダンスでもないし、朗読でもない、世にも珍しいコンサートに行って来た。半崎美子さんのコンサートツアーの東京公演であるが、このツアーは半崎美子さんの本流のツアーではない。スピンオフしたような企画もののツアーで本来の音楽ツアーは別に開催されている。
東京公演の二日目に行って来た。ツアータイトルは『「人生案内」と私Vol.2』。読売新聞で110年以上続く人気コーナーと半崎美子さんのコンサートがコラボした企画である。11月、12月にも愛知や北海道で開催されるので内容についてはできるだけ伏せておく。コンサートの構成は半崎美子さんが読売新聞の人生案内と私のコーナーに寄せられた年代別の相談内容と著名人による回答を読み上げる。その後、その内容に沿った曲を披露する。年代別の相談と回答と歌がワンセットととなり20代から90代まで繰り返す。
鍵となる相談内容は感傷的なものが多くなりがちだが爽快なのはそれに対する回答である。作家や学者、芸能人らの著名人が回答するのだがその一つ一つがお見事で、相談に寄り添いつつも晴れやかな一解を授けている。50代以上の観客が圧倒的に多いのだが各々の経験に重ね合わせて聞いている。切実な相談ばかりではない。中には主人がクマのぬいぐるみを愛してしまって困っている主婦からの相談なんかもあり会場の空気を和ませてくれる。
コンサートの後半は半崎美子さんのミニライブ。困難や悲哀を受け止めつつ全力で励まし讃えてくれる楽曲の数々には明日への希望を抱かせてくれるはずだ。北海道から若くして上京し、パン屋の二階に住み込んで働き、ショッピングセンターで歌い続け、30代半ばで奇跡のメジャーデビューを果たした彼女の歌声には余計な装飾も表裏もない、穏やかで優しく包容力がある。
ちなみに東京公演の初日の1曲目の出来事。幕が上がるとモノクロのガラス越しに半崎美子さんのシルエットが浮かび上がる。バイオリンの演奏と共に半崎美子さんが歌いだす。誰もが知っている名曲のカバーだ。歌いながらガラス窓の横にあるアンティークなドアを開けて半崎美子さんが登場する・・・はずなのだがドアがなかなか開かずに半崎さんがドアと格闘し始める。諦めてドアの横からひょっこり現れるというまるで吉本新喜劇のような登場になってしまったという。私が見に行った2日目の公演では半崎さんが普通にドアを開けて登場しただけで会場の爆笑をさらっていた。半崎美子さんの名曲「明日へ向かう人」「明日への序奏」をぜひ聞いて欲しい。(坂本 雅彦)
11月15日(土)NHK大阪ホール
11月18日(火)東海市芸術劇場
12月2日(火)札幌カナモトホール
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