NHK経営計画(2021-2023年度)(案)について
8月もお盆の真只中です。今年のお盆は例年とは少し違っています。新型コロナウイルスが再び感染を広げていて里帰りもままならない状況です。私にとって、感染を恐れる以上に感染して更に他者にうつしてしまうことの方が怖いのです。多くの日本人がそう思っていることでしょう。マスクを着用するのもそうです。自分がうつらないようにするのではなく、他人にうつさないようにと思って着用している人が多いと思います。
災難が降りかかった時にこそ、この国の美しい心が発揮されるのでしょう。一人の日本人として先人に恥じぬ生き方を日頃から心掛けないといけないと改めて思う今日この頃です。
下記:NHKホームページより
さて、NHKの経営計画案が公開されておりその意見を募っておりましたので僭越ながら私も一言書かせていただきました。2000字以内という制限がございましたので前半のみNHKの送信フォームには記入しました。全文はこちらにて公開いたします。
下記資料:NHK経営計画(2021-2023年度)案より
新型コロナウイルス感染症の影響により訪問活動や受信料免除により収入が300億円減少する予想となっています。2020年度も既に四半期を経過していることから今年半ばでの収入の減少を考慮し、且つ、来年度以降においてもコロナ禍の影響は未知であることから横這いの予算設定ですので妥当な予測だと思います。
そこで、疑問に思いますのは、NHKは例年、受信料の徴収業務を外部業者に業務委託していますが、受信契約や受信料の収納に係る費用は759億円(2019年)に上っています。そのうち、委託会社による戸別訪問による受信契約の斡旋手数料や受信料の収納業務にかかる費用も70億円を超えています。今年においてコロナ禍の中、戸別訪問を自粛したり、受信料の一部を免除したりしています。つまり、この状況で向こう3年間において2年連続で赤字になる計画を立てていてもNHKの事業を維持できるのであれば、いっそうのこと、コロナ禍を契機に受信契約の外部委託は恒久的に撤廃してはいかがでしょうか。
現在においてNHKの受信契約の係る訪問活動はほとんど行われていません。その状況を横這いで向こう3年間の計画を立てているのですから、訪問活動も前期までのように行えないことを前提に計画案を作成していると考えても支障ないと思います。
また、300億円の減収を続けていても2023年度に収支が黒字になる計画となっています。委託業者による訪問活動がなくてもNHKが収支をバランスして運営することが可能であるということを追認しているに他ならないと思います。
よって、NHKは受信契約や受信料収納に外部委託業者はおろか自社スタッフにおいても国民への戸別訪問は廃止すべきだと強く要望します。NHK自身が立てた計画によりそれでも運営を維持できることとなっているのですから尚のことです。NHKの戸別訪問は国民との余計な摩擦を生む可能性があり双方にとって利することはと思います。
下記資料:NHK経営計画(2021-2023年度)案より
また、事業収入についての1頁の下段に受信料の公平負担の徹底の観点から支払率は80%を維持するとともに衛星比率を向上させるとあります。受信料の支払率はたとえ80%であっても十分に不平等です。20%の世帯は視聴不払いの状態にあるということだと思います。20%もの世帯の不払いをやむ無しとするならば真面目に支払う世帯が浮かばれません。
そこで、支払率が100%となる方法があります。アマゾンプライムやDAZNなどのようなシステムを導入すればよいのです。受信料を支払っていない世帯には電波を止めてしまえばよいのです。スクランブル放送を導入することで支払っていない世帯は視聴できない状況にすることができます。そうすることで平等な受信料制度を確立できるのではないでしょうか。仮にすべての放送番組をそうしなくてもスポーツや娯楽やドラマなど嗜好性の高い分野においては順次導入を図ってはいかがでしょうか。
また、報道や教育など公共性のある番組や国際放送を除いて第二NHKを立ち上げてそちらに嗜好性の高いコンテンツを移行し、実質的に視聴者負担を確率し半官半民による維持運営を行ってはいかがでしょうか。要するに、公共放送は公共性のある放送に特化すべきだという明快な主張です。分社せずインフラが混在しても構わないと思うのですが、収支や受信料システムを切り分けて、機能と意義の違いを明確にすることでNHKの現在の朧げな立ち位置が明確化することに繋がるのではないでしょうか。
下記資料:NHK経営計画(2021-2023年度)案より
重点投資について5ページ上段に「あまねく伝える」とありますが、NHKにそのような使命は与えられていないと思います。放送法第15条において明記されているのは「あまねく日本全国において受信できるように」であり、この計画書にある‘すべての人にあまねく情報を届ける取り組みを進める’というのはその意図に合致しません。NHKを観ない権利もありますし、テレビを持たない権利もあります。少なくとも日々の情報源がNHKの放送ではないとする人もいることを受容頂きたいと思います。
5ページ上段(3)Ⅱに関して国際放送に関しては出来る限り政府から投入されている税金の範囲内で行うべきだと考えます。新たに投資する予算の40億円は視聴者の受信料であり、受信料を支払っていない国際発信先の諸外国や在外日本人に対しての投資としては大きすぎるのではないかと思います。受信料は受益者の為のものであることが望ましいと思います。
下記資料:NHK経営計画(2021-2023年度)案より
5ページ下段(6)の受信料について訪問によらない活動の強化とありますが、ここに予算されている10億円とは具体的に何にどのように使用するのでしょうか。訪問活動を委託している業者に対しての契約期間中に契約を解除する違約金もしくは手切れ金や口止め料でしょうか。委託会社に年間約70億円支払っていますので14%程度にあたる予算付けで非常に分かりにくく中途半端な金額である印象を受けます。いったい、何の算定なのか根拠を今一度明らかにして頂きたいです。
下記資料:NHK経営計画(2021-2023年度)案より
6ページ上段にある「受信料の価値の最大化」を図るとありますが受信料金は視聴者には決定できません。定められた金額を強制的に支払っている現状から考えますと、「受信料の価値の最大化」イコール「受信料の極限までの低額化」に他なりません。受信設備を保有していることによって契約しないという選択肢のない視聴者の多くにとってコストパフォーマンスこそ価値の最大化なのではないでしょうか。「受信料の価値の最大化」と掲げて、逆に受信料水準の維持を図ることは詭弁に聞こえます。3年間の計画には常にコストパフォーマンスを上げることが受信料の低額を実現する価値の最大化であることだと認識して頂きたいと思います。
下記画像:NHKプラスのホームページより
インターネット活用業務に関しては今後に多くのことが危惧されます。現在においては総務省の認可を得ることを目的とした内容の実施及び活用であり、既に総務省の認可を得ている現在では、将来的にインターネットが接続可能な環境にあるだけでNHKとの受信契約を強いられるようになるのではと多くの心配の声が上がっています。テレビを持っておらず、スマートフォン端末やタブレットやパソコンにてインターネットに接続することで諸処の情報を得ている国民も多くなってきました。そのような人々にとってNHKのインターネット同時放送に対する需要がどのくらいあるのでしょうか。現段階ではNHKプラスはNHKと受信契約をしている視聴者にしか関係がなく、新たな受信料負担は強いられていません。しかしながら、テレビを持っておらず、インターネットに接続できる環境にあるNHKとの未契約者にとっては心配は尽きません。
NHKは電波を提供することの認可を得てきたにすぎません。通信による情報提供が普及しつつある今日においてむやみにNHKが営業分野を広げないことを望みます。それは民業圧迫にもなりうると思いますし、何より国民の自由権を侵害しかねない既得権益だと言われてもしようがないことだと思います。インターネットの普及に合わせて公共的な情報発信機能を新たに必要とするのならば既存のNHKとは切り離した議論が必要だと考えます。
下記資料:NHK経営計画(2021-2023年度)案より
IT関連の経費抑制については外部の見地を活かす、または投資の適正性を評価するチームを立ち上げる、外部専門家の見地を活用するとありますが、専門家やチームの任命者と任命基準と実際に任命されたものとその報酬を公開して頂きたいです。
以上、NHK経営計画(2021-2023年度)案について不躾ながら意見させていただきました。
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